北米でマルチリンガルの子育て、仕事、海外生活と日々奮闘中の筆者が感じた日本と海外の違いや気づきを綴るコラム。
第5回目は、「子どもの寝かしつけと添い寝のあれこれ」についてです。
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子供が産まれ半年が過ぎたころ、子供の寝かしつけと添い寝について夫と話し合った。夜中の授乳やおむつ替えに少しリズムがでてきたころで、子どもは一人で寝たほうがよいのかもしれないと考えたからだ。色々とリサーチをして試してみようと思ったのはジーナ式だった。
ジーナ式は起床、授乳、お昼寝、就寝の時間をそれぞれの月齢に合わせてスケジュールを組み、就寝時は赤ちゃんは別室で一人寝。泣いた場合は10分ほど待ってみて、それでも泣きやまない時に様子を見に行くという方法になる。
ネントレは子どもが泣いた時にすぐに抱っこをできないことが、親にとって一番辛いと聞いていたので、どちらかが辞めたいと思ったら即中止すること。ネントレの挑戦は1回きりにして、中途半端に辞めたり試したりを繰り返さないと二人でルールを決めた。
ネントレ初日。昼間はそこそこ順調に過ごし、就寝前の授乳を終えていざベットへ置いて別室へ。。。そこから1分と経たずに子どもが泣き始めた。ある程度は覚悟を決めていたので、ここで私はぐっと我慢をする。1分、2分、3分。。。時間が経つのがとても長く感じられ、どうしよう。。と心に迷いがではじめる。そんな親心を知っているかのように子どもの泣き声はさらに大きくなる。4分、5分。。とそこで夫が突然「もう無理だよ」と子供部屋に駆け込もうとする。私は「もしここで辞めたら次はないよ。また同じ思いをするのは嫌だからね」と確認をする。夫はそれでもいいと言って、子どもを抱っこした。
こうして私たちはあっけなく第1夜で断念した。わが子はいわゆる ”あまり寝ない子” だったため、この日から数年間に渡り(特に私は)万年睡眠不足と戦うことになる。
他の家庭はどうなのかなと聞いてみたところ、 日仏の夫婦は子どもが産まれたときから寝室を別にし、夜の8時になると子どもを部屋に連れて行き一人寝させる。
レバノン人の夫婦は、大きなマットレスでの寝かしつけと家族3人での添い寝を欠かさない。
カナダ人夫婦は、ママのみが添い寝、または完全に寝室は分けている。ただ、割とドライで10分弱なら赤ちゃんが泣くことは気にしない。
さて、私たちはあの時の言葉通り、それからずっと家族3人同じ部屋で寝てきた。添い寝ももちろん有りで、読み聞かせ後に消灯をしたら私は子どもの隣に横になる。幼い頃から親とは完全別室で育った夫も子どもと一緒に寝ることがすっかり気に入ってしまった。
実はその後も少しだけ一人寝を挑戦してみたことがある。ただ、泣かせっぱなしは嫌だったので、言い聞かせることで実行してみたが、年齢が上がるにつれてどんどん難易度が上がり、2歳半をすぎる頃にはすっかり諦めていた。
そしてほんの数日前。
あと少しで3歳半を迎えるわが子は、ある日突然、自ら一人寝をしだした。理由は全くわからない。
その頻度にはまだばらつきがあるけども、もう親離れ!? と少し寂しさを感じる反面、これまでずーっと添い寝をしてきたことを考えると、週に何日か夜に自由時間が持てることはとても嬉しかった。しかも中途半端に寝て起きたりしないだけで、身体の疲れ度合いが全然違う。
なんだか拍子抜けするほどにあっさりとした形で、寝かしつけについては一件落着となりそうだ。
それにしても、1,000日以上の間ほぼ夜の自由時間がなく、熟睡できなかった日々はなかなかしんどかった。呪縛から解け放たれたようなこの開放感を密かに満喫しつつ、夜の読書と晩酌を楽しむ今日この頃である。
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SASAKI
海外移住をきっかけに本格的にライター・エディターとなる。英仏話者。人々の生き方や働き方、子育てに興味があり、取材・インタビュー記事が得意。現地では新たな挑戦として、現地企業でマーケティング・カウンセラーも経験し、海外と日本の架け橋となるようなサポートもしてみたいと考えている。