北米でマルチリンガルの子育て、仕事、海外生活と日々奮闘中の筆者が感じた日本と海外の違いや気づきを綴るコラム。第25回は「自宅待機3ヶ月目を過ぎて思うこと」の話です。

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世界中で猛威を振るっているコロナ禍だが、日本はそろそろ落ち着き始めているようだ。それに比べここケベック州(特にモントリオール市)は、ロックダウンから3ヶ月目を突入しても、いまだに日々の感染者数は数百人単位で増え続けている。教育機関はすべて9月まで閉校、大学は9月以降をオンライン授業で対応しつつ来年の1月までは学校閉鎖を続けるとされている。

 

我が家ももれなくコロナ禍により日常生活の変化を余儀なくされたわけだけど……。

 

子を園に預けることができず、これまで通りの仕事を続けることはこんなにも大変なことなんだと、まさに「思い知った!」という心境で、2ヶ月が過ぎた頃からどっと疲れを感じるようになりぐったり感が半端ない。

 

私達夫婦は自宅勤務での対応となったため、午前中と子どもの就寝後がわたしの仕事時間、お昼から夕飯前までが夫の仕事時間、というようにシフトを組んで交換で子どもの面倒を見ている。

 

子の年齢的にはまだまだ大人の手が必要な時期だし、スクリーン漬けにすることにも抵抗があるということで、このシフトに決めたのだが……なかなかにしてキビシイ。わたしの1日のスケジュールは、例えばこうだ。

 

朝は子とともに7時半頃起床し、夫が朝食を用意してくれる。毎朝恒例の日本の親とのスカイプタイムで紙芝居を読んでもらって、その間私は仕事のメール等のチェック。スカイプが終わると夫が子とともに外遊びに出かけ、(近所に人があまり来ないだだっ広い駐車場があるのだが、これにはかなり助けられている……!)私はその間に仕事をする。

お昼は夫と私が交代制でご飯を作り、家族で食べる。午後はバトンタッチで私が子と遊ぶ番となる。天気が良ければ2時間弱ほど外で過ごし、帰って来たらおやつの時間。その後は少しのんびりと過ごして、4時過ぎに子どものテレビ時間を40分ほど。後は少し一人で遊んでもらったり、夕食の準備を一緒にしたりして過ごし、お風呂とご飯を済ます。

 

夜は家族でボードゲームをしたり、絵本を読んだりして過ごす。そして子が就寝した後に積んでいる仕事や日本とのMTGを行なって、夜中に布団へいく。

 

どうだろうか……?これが週5日延々続き、週末も仕事がないだけで他のスケジュールはほぼ一緒だ。書いていて、この2ヶ月間よく頑張ったものだと自分を褒めたくなった。全力で。だって、一人気ままにボーッとする休憩時間がほとんどゼロだ。次から次とやらなければいけないことが沸き起こり、たまにボーッとしようとすると「ママ−!」と呼ばれる。

 

もちろんわたしの家族も、他の家族も、世の中の人もみんなみんな頑張っている。医療関係者などの第一線で働く人から見たら、「何をのんきなことを……」と言われそうな1日ではあるが、それでもわたしは結構いっぱいいっぱいだ。

 

静寂な時間がほしいとか、家とその駐車場だけでなくどこかへ移動してリラックスをする時間がほしいと思っている。そしてやっぱり家族や友人に直で会いたい。

 

冒頭でも話したようにこんな感じの生活は秋までは確定、それ以降もじんわりと続くのだろう。それだけの長期戦が待ち構えていると思うと、ほんとうに気が遠くなりそうではあるが、もう腹をくくるしかないのかもしれない。コロナが収束し、自由に過ごせる日々を指折り数えるには先が見えなさすぎる。ただ、もう無理にがんばるのはよそうと思っている。

 

比較的ふつうの生活が送れる状況で大変ありがたい環境であっても、疲れるものは疲れるのだ。そして、自分の狭いキャパはこれ以上広げられそうにもない。潔く自分を認め、たまに「あんた、よくやってるよ」と己を褒め、この日々を乗りきるしかないのだなと今は考えている。唯一の救いは、子がこの生活をとても喜んでいて、毎日上機嫌でいてくれることだ。

 

みなさんもどうか気負わずに、自分自身を褒めてこの日々を乗り切りましょう。それぞれが抱える状況はもちろん異なるけども、みんなほんとうに頑張っているよ。わたしたち、おつかれさま!

 

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SASAKI

 

海外移住をきっかけに本格的にライター・編集者となる。英仏話者。人々の生き方や働き方、子育てや教育に興味があり、取材・インタビュー記事が得意。現地では新たな挑戦として、現地企業でマーケティング・カウンセラーも経験し、いつか海外と日本の架け橋となるようなサポートもしてみたいと考えている。