北米でマルチリンガルの子育て、仕事、海外生活と日々奮闘中の筆者が感じた日本と海外の違いや気づきを綴るコラム。

第28回は「しずかなクリスマス」の話です。

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今年はコロナの話題なしでは語れないなとつくづく思う。クリスマスといえば、北米にとっては日本の年末年始と同じくらいに大切な家族行事であり、わが家も例にもれず、毎年数十人が集まってパーティをしている。しかし、今年はコロナの状況によっては、大人数で集まることが規制される可能性があるとのことで「さてどうしたものか。クリスマスにまで会えないなんて寂しすぎる!」と、何度かオンラインで家族ミーティングが開かれた。

 

現在こちらは軽いロックダウンのような状態で、公共施設やレストラン、劇場等はすべてクローズとなっていて、原則として同居していないもの同士が会合するのはNGとされている。私は普段から家にいることが多いので、「そこまで気にならないかも」と初めは思っていたが、実際にこの生活をトータル半年ほどしてみるとなかなかにきつい。

 

日本の家族が、外出や外食をまだ比較的楽しめているという話を聞いて、「あー日本に住みたい!」とこれまでに何度となく呟いたことばを本当に心から噛み締めた。

 

そして、11月には「クリスマス休暇の過ごし方」の発表が政府から出された。私が住む州においては、クリスマス期間となる12月24日から12月27日の4日間だけは、10人を越えない人数であれば家族や友達と会っても良し。ただし集まれるのは、その4日間のうちの2回だけ。年末年始の集会はナシ、というお達しが発表された。

 

なかなかに細かい注文だなぁ、これを実際に守る人は何割いるのだろう……?とこの発表を聞いたときには思ったものだが、この「クリスマスだけは特別に会っていいよ」という処置は、すごく海外らしいなと思った。

 

日本だったら、おそらく年末年始が割り当てられていたのかなとも思う。早速オンラインでどうやって集まろうかの家族会議が行なわれたが、実際のところ日にちが近くなってみないとわからないところもあるので、手放しでは喜べない状態だ。

 

今年は「しずかなクリスマス」になるだろうなぁと思いつつ、いつもだったら子も大好きないとこたちと遊べるところがそうはいかなくなってしまったので、なにか楽しめることを考えないとなぁと考えている最中である。

 

クリスマスの楽しみリストとして、いま考えているのは、サンタへの手紙、いたずら好きな「ウルフ」の設置、チョコレートが入っている「アドベントカレンダー」、森の中の別荘への小旅行、あとは特別にゲームの時間も増やそうかな、などと思っているけども、どこまで実現できるだろうか。

 

また、今年は冬休みに州外の家族と会ったり、国外の実家へ帰省する人たちのために、14週間の待機時間をできるだけ取れるようにと、学校関連の冬休み期間が1週間ほど長くなる予定だ。これもまた、移民の国ならではの処置だなぁと感じたのであるが、つまりは……私も日本に帰れるのか?と淡い期待をしちゃったりしている。

 

でもそうすると、夫は自宅に一人残ることになるので(どうやら外国籍の人は特別な申告と審査が必要な模様)、それこそ「しずかすぎる 寂しい クリスマス」になってしまうから、かわいそうかなぁと思い直したりして、あれやこれやと思いをめぐらす12月となっている。

 

さて、今年も残りわずかですね。少し早めのご挨拶となってしまいますが、みなさんもどうか温かいクリスマスと年末年始を過ごされますように。Merry Christmas & Happy New Year!!

 

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SASAKI

 

海外移住をきっかけに本格的に編集者・ライターになる。取材・インタビュー記事が得意。英仏話者。人々の生き方や働き方、子育て、教育に興味あり。現地企業では新たな挑戦としてマーケティング・カウンセラーも経験し、いつか海外と日本の架け橋となるようなサポートもしてみたいと考えている。